さて、いよいよ猟銃免許(散弾銃)の取得過程です。少し長くなるかもしれませんが、どうぞご辛抱ください……! また後述の注意事項も必要に応じて、順次ご確認ください。
忍耐が肝心!猟銃免許取得までの手順と費用!
では、続いて猟銃免許の取得過程を見ていきましょう。大まかな流れとしては次の表のようになりますが、各行程は順に説明していきます。※1 なお、手続きはすべて居住地を管轄する警察署(以下警察署)にて平日の業務時間内に行う必要があります。また、書式等については各都道府県で若干異なるため、詳しくは所管の警察または近くの銃砲店へお問い合わせください。
1.初心者講習会(行程表①~②)
さあ免許取得への第一歩です。まずは必要書類をそろえて、居住地を所管する警察署の生活安全課へ行きます。(私の住んでいる地域の座間警察署では生活安全課は2階にあがって右側の一番奥)。なお、神奈川県警のホームページには各種申請様式があがっています(ただし、都道府県毎に様式は若干異なります)。添付書類については以下の表を参考にしてください。
初心者講習会はざっくりいえば講習兼筆記試験です。申込むと即日または数日後に講習を行う会場と日時が指定されます。また、教本を渡されるかインターネット上でダウンロードするように指示されますので、試験当日までみっちり勉強しましょう!! 費用は、講習申込み時の手数料が7,000円くらいかかります。
2.教習射撃(行程表③~⑧)
教習射撃は、言うなれば実地教習です。まずは簡単な座学でクレー射撃のマナーや銃の分解組立方法について簡単なレクチャーが行われた後、割とすぐに射撃が始まります。練習に1ラウンド(25発)、試験に1ラウンド(25発)で合計50発撃ちます。※2 試験は25発中2発程度当たれば合格します。また、この教習射撃申請の時点で身辺調査が入りますので、許可には少々時間がかかります。申請時に必要な添付書類は以下の通りです。
また、教習射撃の申請にあたっては教習射撃で使う弾購入用に、教習射撃自体の申請と併せて「火薬類等譲受許可の申請(=弾の使用許可)」も必要になります。この教習射撃に使用する弾の許可証は、教習終了後速やかに警察へ返還する必要がありますのでご注意ください。申請時の添付書類は上の画像の通りです。
なお、射撃時は自分の「ハイッ」という声をマイク(ちょっと暗いですが、画像中央下の白いやつ)が拾うことでクレーが自動射出されます。ただ稀に反応しないことがありますので、その際は大きめの声で「ハーイ」と少し伸ばして発音すると反応しやすいです。ただ、射撃場で他の人のかけ声を聞いていると、皆さん「アー(カモの鳴き声みたいな音)」とか「エーイ」になってますね(笑
費用は、申込時の各手数料、射撃教習費用を合わせて合計3万~5万円くらいかかります。
3.鉄砲の選定及び設備の準備(行程表⑨)
さて、無事教習射撃に合格すれば、今度は買うための鉄砲を選定します。順番が前後しているような気がしますが、猟銃免許(所持許可証)には所有する鉄砲の種類や長さが記載される為、警察に申請する前に鉄砲を決めておく必要があるのです。
購入費用は中古で15万~20万くらいと思ってください。申請書類は概ね銃砲店で作ってくれます。
また次の4の所持許可申請の後に、ガンロッカーと装弾ロッカーの設置状況を警察が家まで確認に来るので、この鉄砲選定のタイミングで基準を満たすガンロッカーと装弾ロッカーも併せて購入して設置しておくとよいでしょう。なお、ガンロッカーと装弾ロッカーはそれぞれ別々の棟の建物に保管するのが望ましいとされていますが、普通の家では無理なので最低限ガンロッカーと装弾ロッカーはそれぞれ別々の部屋に設置する必要があります。
また各ロッカーはクローゼットなど外から見えない場所内に、柱など強固な構造部分へビス打ちして固定します。固定が難しい場合は、ロッカーの底に重りを入れたりしますが、このあたりは銃砲店や警察と相談が必要です。また、仮にクローゼット等に保管できない(=部屋の一角にむきだしで壁に打ち付けたりしてある)場合は、布をかけて外から見えにくくするなどの保護措置を行います。
4.鉄砲所持許可申請(行程表⑩~⑪)
申請書類と併せて、警察署へ申請に行きます。鉄砲の種類等はおそらく銃砲店で記入してくれていると思われますが、念の為漏れがないか最終チェックをしましょう。わからないことは先に電話等で銃砲店なりに確認しておくことをおすすめします。費用は手続き手数料として10,000円程度かかります。
5.鉄砲購入と確認(行程表⑫~⑬)
再度身辺調査のうえ、申請者に問題がなければ1か月~程度で猟銃所持許可証(=猟銃免許)が交付されます。これを手に入れたらいよいよ鉄砲の購入です。3の行程で選んでおいた鉄砲を実際に銃砲店にて購入します。おめどうございます!これであなたも猟銃保有者です!!
が、まだこれで終わりではありません。鉄砲を購入した日から、14日以内に警察署にて鉄砲の長さ等を含め確認を行ってもらわなければなりません。なので購入したらできるだけ速やかに警察署へ行きましょう。
6.弾の申請(行程表⑭~⑮)
14日以内の確認が終われば猟銃の手続きは完了です。しかし、もう一つ重要な手続きが残っています。それは弾の申請です。これがないと鉄砲もただの高い鉄の塊なので、弾の申請も行います。この手続きは教習射撃の時と同様に「火薬類等譲受許可の申請」を提出します。なお、提出のタイミングとしては、5の鉄砲の確認時に同時に出してくるとよいでしょう。警察内でも決裁の関係がありますので、交付までは大体1週間程度を見ておくとよいかと思います。費用は手数料として3,000円弱かかります。
以上、ここまでが猟銃免許の取得過程となります。なかなかしんどそうにも見えますが、ちゃんと書類を出して黙々と手続きを進めれば意外とあっという間です。と言っても、何だかんだ3~6ヶ月くらいはかかりますのでそこは忍耐が肝心です……。なお必要費用の合計は少なくとも25万円前後くらいとなります。
つづいて、次ページはいよいよクレー射撃を始める準備に入ります。
※1 猟銃免許取得の行程については、各都道府県・警察署により若干異なる場合がありますので、詳しくは所管の警察署または銃砲店へお問い合わせください。
※2 弾数は75発の場合もあり、射撃場によって異なるようです。